余剰となっていた寝台特急用581・583系をローカル普通電車に改造したもので、私は仙台地区に配された同仕様の719系の撮影にはすれ違いで間に合いませんでしたが、北陸地区の419系については何とか追いつくことができました。元寝台特急用車両を改造したことから、
ただでさえ変わり者の代表みたいな処がありました。大きく目立つ点としては車内に寝台が(見かけ上)残っていたり客用扉がローカルの通勤用としては不向きと思える700mm幅の折れ扉だったり、
寝台を撤去した部分の天井がとてつもなく高く感じたり、「左クモハ475-15 右クモハ419-12」クハ418-3先頭車が特急時代のままの高床運転台だったり、中間車に運転台取り付け改造を行った車だったり何か得体の知れない形式です。撮影データを整理していて見所を下記にまとめてみました。
何と言っても運転台が特急車のような高床運転台だったこと。
3両固定15編成のうち高床運転台クハネ581形を転用したクハ419形を組み込んだものが6編成あり、米原寄りの先頭に組み込まれていました。(編成番号のD10→D15から巡にクハ419-1→クハ419-6とされなかった?)
クハ419-2
米原方の残り9編成の先頭車クハ418形と直江津方15編成全部のクモハ419形は中間車に運転台取り付け改造を行ったもので、新設された運転台にある小窓は同時期に現れた他の車と同様、隅にRのあるユニットサッシです。
クモハ419-1
車内のクロスシート部分は、中段となる折り畳み寝台が残っています(機能しなかったでしょうが)。
クモハ419-1
急行用の475系などでは混雑緩和のために乗降用扉付近のクロス席をロング席化する近郊型改造が行われましたが、419系についても車端に設けられた乗降扉用のデッキの撤去や扉付近のクロスシートをロングシート化する近郊型改造が行われています。
・ロングシートの長さが短い事と行先表示器があるためクハ418形の荷棚は省略されています。
・ロングシートの長さが短い事と行先表示器があるためクハ418形の荷棚は省略されています。
クハ418-2
・クロス席とロング席で荷棚の位置がずれています
・クロス席とロング席で荷棚の位置がずれています
クハ419-2
クハ419-2
・但しクハ418形の運転席寄りドア側についてはロングシート化されていません。
・但しクハ418形の運転席寄りドア側についてはロングシート化されていません。
クハ418-9
クハ418-9
・415系などでは席への移動時を考慮したのかクロス席部に吊り革は設けられませんでしたが(常磐線用の415系を含め)、419系には僅かですが設置されています。
吊り革なし モハ414-810
吊り革あり クハ418-2
ローカル用への改造にあわせ、乗降扉の新設や位置の変更が行われたので基本的には乗降用扉に特急車時代のデッキ部はありませんが、クモハ419形のモハ側については既存のデッキが存置されたようです。ただ特急車時代のデッキ壁は半分を残して撤去されていました。
クモハ419-1
モハ418形についてはパンタグラフを撤去した側のデッキ部にあった「くずもの入れ」が残っていて特急車時代の面影を垣間見ることができました。
モハ418-1
冷房化されていますが機器故障時の対策としてか片側3個の固定窓を上段下降、下段上昇式の小さいサッシに交換されました。固定窓は横引きカーテン、開閉窓は上から下ろすロールカーテンでした。
冷房化されていますが機器故障時の対策としてか片側3個の固定窓を上段下降、下段上昇式の小さいサッシに交換されました。固定窓は横引きカーテン、開閉窓は上から下ろすロールカーテンでした。
改造前のモハネ582形にはパンタグラフが2基搭載されていましたが、ローカル用のモハ418形への改造に際して1基は撤去されています。撤去された部分は屋根が切り取られたように低く目立っていました。
モハ414-8 屋根
モハ414-8 車内
パンタグラフを搭載していた部分には屋上に冷房機を置くスペースがないため、パンタグラフが搭載されている側の車内に2カ所、パンタグラフが撤去された側の車内に1カ所、客室内に大きな冷房機器室が設けられ、外見上でも車体側面のルーバーがあるなど目立っていました。なお、この機器室が通路に大きく張り出していたため車内のロング席部は二分割されるような感じでした。
モハ418-10
モハ418-10
※各車の車内写真は数多く撮影していますが、撮影方向が??で大混乱です。
モハ418-15については、撤去したパンタグラフ跡に霜取り用のパンタグラフを搭載していた時期があったそうです。後年に撤去されましたが明瞭な撤去跡が残っていました。
モハ418-15
475系列の一部や413系列では中間車のモハに行先表示用の電光表示器が、415系では機器を搭載したものの使用されませんでしたが、419系については幕式の行先表示器が使用されています。ただクモハ418形の前面上部の列車種別窓とクハ419形の前面にある列車種別表示器は使用されていませんでした。
運転席内の表示を見ると「回送」「試運転」「臨時」「快速」「普通」「急行」「団体」の7種類あったようですが、白が所定表示という注意書きが添えられていました。
トイレはクハ418、クハ419形にありました。特急車時代に2口あったものが1口となり、使用中止したトイレ側は業務用という表示になり、外観上も業務室となった部分の小窓は閉鎖されています。
クハ418-4 車内
クハ418-4 車外
特急車時代はトイレ向かいに洗面所が3口並んでいましたが、パネルで覆われて使用できないようになっていました。順次、パネルを含め全部撤去され広い空間ができています。
パネルで覆われた洗面台施設
クハ418-2
すべて撤去され広々した空間
クハ418-3