広島電鉄

現在、日本最大の規模を持つ広島の路面電車です。
全国で不要になった路面電車を集め、塗装も前のまま運行しており、動く電車の博物館と言われています。大阪市電2601形、神戸市電1150形等、広島に行けば往事とあまり変らない姿を見る事ができます。京都市電の1900形は事故で廃車になった1両をのぞき、全車が移籍しています。
また、鉄道線である宮島線と直通運転を行い、今ではほとんどが直通車となり、鉄道線の電車を全部路面型の電車に置き換えてしまいました。かっての鉄道線の車両は「ローカル線のアルバム」に掲載しています。
黒字経営を続け、最近では新車の投入も活発に行っており、今、各地で起こっている路面電車見直しの動きの先駆けになっています。
忘れてはならないのは、原子爆弾の投下により、灰燼と化した広島で、3日後には己斐~西天満町が運転を再開、爆心地でも一ヶ月後には運転を再開している事です。被爆した電車の内、650形の651、652が今でも現役で動いており、653、654は現役を引退しましたが保存、150形1両が動態で保存され、被爆の生き証人となっています。

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1150形 1100形 650形

フラワーフェスティバル、平和大通りのメイン会場です。

1984年5月4日撮影 袋町~中電前

貨50形52

1979年に750形758を改造し無蓋貨車化したものです。 貨物運用は行われず、花電車として運行されていました。 51と二両ありましたが、写真の52は2013年に廃車となり、 51が残って花電車の運行についています。 1984年のフラワーフェスティバルの花電車です。

1984年5月4日撮影 猿猴橋町

1984年5月4日撮影 猿猴橋町

70形

1959年DUEWAG社製の元西ドイツ ドルトムント市電。 1982年譲受。宮島線直通車として使用されていました。海外製で取り扱いが他車と違い、3700形以降の連接車が増備されると使用されなくなり、1994年に市内線転属。2006年に77が廃車。76も2008年に運用離脱。

70形76

2012年から「マダムジョイ」千田店で保存されていましたが、閉店のため、2017年からジ アウトレット広島で保存。

1984年5月5日撮影 荒手車庫

70形77

2006年廃車後解体

1984年5月5日撮影 荒手車庫


100形

1984年に行われた観光キャンペーンで登場した、 開業時の100形を復元した車輌です。 現在の保安基準に合わせ、一見木造に見えますが、鋼製車です。イベントで使用されています。

100形101

1984年5月4日撮影 縮景園前

1984年5月4日撮影 女学院前


350形

1958年ナニワ工機(現アルナ車両)製。 宮島線直通用の850形として3両製造。 2000形、2500形の登場により、市内線用となり、 1971年に型式も350形となりました。 直通時代の名残として、菱形パンタグラフを装備していました。2025年現在352が現役です。(パンタグラフはシングルアームに換装)

350形351

1958年ナニワ工機(現アルナ車両)製。2023年廃車。

1984年5月4日撮影 小網町


500形

1954年ナニワ工機(現アルナ車両)製。市内線用として5両製造。2003年までに全車廃車。

500形501 3000形3004

501は1954年ナニワ工機(現アルナ車両)製。2003年廃車
3004は1962年日立製の元西鉄福岡市内線1201形1201A 1202ABをを3車体連接に改造。2020年廃車

1984年5月5日撮影 己斐(広電西広島)

500形503

1954年ナニワ工機(現アルナ車両)製。冷房化前の姿です。2003年廃車

1975年3月4日撮影 十日市町~本川町

500形505

1954年ナニワ工機(現アルナ車両)製。2003年廃車

1984年5月4日撮影 立町


550形

1955年ナニワ工機(現アルナ車両)製。551のみ宮島線直通、552~555は市内線用として合計5両製造。552が1977年千田車庫の火災で廃車。553~555が2006年、551は2013年廃車。

550形553

1955年ナニワ工機(現アルナ車両)製。紙屋町から宇品線に入る広電前行き臨時。2006年廃車

1984年5月4日撮影 紙屋町


570形

元神戸市電500形。神戸市電500形は1920年から製造され、製造年次毎に6グループに分かれます。その内、1924年以降に製造され、1958年~62年に車体更新された3グループ17両が1971年~73年にかけて移籍。1985年から廃車が始まり、2025年現在、582のみ在籍しています。

570形572

元神戸市電500形572。1971年譲受、1987年廃車

1984年5月4日撮影 小網町

570形573

元神戸市電500形573。1971年譲受、1990年廃車

1975年3月4日撮影 十日市町

570形575

元神戸市電500形575。1973年譲受、1990年廃車

1979年4月撮影 己斐

570形578

元神戸市電500形578。1973年譲受、1985年廃車。廃車後、サンフランシスコ市に寄贈されています。

1978年8月撮影 広島駅前

570形579

元神戸市電500形579。1973年譲受、1985年廃車

1975年3月4日撮影 十日市町

570形581

元神戸市電500形591。1971年譲受。1987年廃車

1978年8月撮影 広島駅前

570形584

元神戸市電500形584。1971年譲受。冷房化され、2006年廃車

1975年3月4日撮影 猿猴橋町

570形586

元神戸市電500形586。1971年譲受。1985年廃車

1980年7月撮影 稲荷町


600形

元西鉄北九州線500形。1977年に3両譲受。601が1983年に事故廃車となり、603を601に改番しています。602が2025年現在在籍しています。

600形603

元西鉄北九州市内線500形504。1977年譲受。1983年に601に改番。冷房化前の姿。

1980年7月撮影 八丁堀

600形601

初代601が1983年に事故廃車となり、603を改番。冷房化直後の姿です。2001年廃車

1984年5月4日撮影 紙屋町


650形

1942年木南車両製。5両製造されました。1945年8月6日の原爆投下で全車被爆し、全半壊しましたが、1948年までに全車復旧されています。この内655は1967年に事故廃車。2006年に654が廃車されましたが、広島市交通科学館で保存。2025年現在、651,652,653の3両が在籍しています。

750形770 650形653

1975年3月4日撮影 胡町

650形653

2025年現在、貸切用として在籍しています。

1984年5月4日撮影 土橋


700形(初代)

1948年~50年にかけて、元京王23形→広電500形の機器を流用し、日立製作所笠戸工場で車体を新製し700形(初代)として就役しました。神戸、京都からの移籍車に置き換わり、1980年までに全車廃車

700形(初代)706

1949年に502の機器を流用し車体を新造。1979年廃車

1975年3月4日撮影 稲荷町

1975年3月4日撮影 胡町


700形(2代)

1982年から1983年までアルナ工機(現アルナ車両)で7両製造されました。元大阪市電の750形のモーターを流用し、駆動も吊掛け式です。その後1985に711~714の4両製造されましたが、こちらはモーターも新品でカルダン駆動と実質別形式です。

700形701

1982年アルナ工機(現アルナ車両)製。2025年現在現役です。

1984年5月4日撮影 立町

700形705

1983年アルナ工機(現アルナ車両)製。2025年現在現役です。

1984年5月4日撮影 原爆ドーム前


750形

元大阪市電1601形10両、1651形4両、1800形8両計22両を1965年~67年に譲受。主力として活躍していました。。758、759の2両が貨50形に改造。768がイベント用「TRAIN ROUGE」に改造され現役。762が2025年現在、現役として市内線で運用されています。それ以外は一部は700形(2)に機器を譲り、2015年までに廃車。772は廃車後ミャンマーへ譲渡されています。また、元大阪市電1601形には南海電鉄→阪堺電気軌道モ121形があります。

750形760

元大阪市電1801形1832。1967年譲受。最初の番号は765。1999年廃車。

1975年3月4日撮影 本川町

1984年5月4日撮影 土橋

750形765

元大阪市電1601形1645。1965年譲受。最初の番号は760。元の型式が違うので、同じ750形でも外観が違います。 直通用の2500形2511~2514も元大阪市電1601形でした。1985年廃車

1975年3月4日撮影 胡町

750形767

1984年5月4日撮影 小網町

750形769

元大阪市電1801形1828。1967年譲受。2015年廃車

1975年3月4日撮影 猿猴橋町

750形771

元大阪市電1801形1830。1967年譲受。1998年廃車

1978年8月撮影 広島駅前

750形772

元大阪市電1801形1831。1967年譲受。2015年廃車。ミャンマーへ譲渡。当時の広島カープの本拠地、広島市民球場の前を通ります。

1979年3月4日撮影 原爆ドーム前

750形ラストナンバー。

1984年5月4日撮影 小網町


900形

元大阪市電2601形を1969年に14両譲受。913が2025年現在現役で運用されています。それ以外は2020年までに廃車。
元大阪市電2601型には鹿児島市電800形があります。

900形904

元大阪市電2601形2634。2017年廃車

1979年4月撮影 白島

900形906

元大阪市電2601形2627。2017年廃車

1984年5月4日撮影 八丁堀

900形910

元大阪市電2601形2635。2019年廃車

1975年3月4日撮影 横川駅

900形912

元大阪市電2601形2637。2020年廃車

1979年4月撮影 十日市町

900形913

元大阪市電2600形2637。2025年現在、冷房化され現役です。

1984年5月4日撮影 十日市町


1100形

元神戸市電1100形を1971年に5両譲受。550形、1150形と一緒に神戸市電廃止直後に移籍しました。他車と比べて収容力が小さく、早く廃車されました。1103が神戸に里帰りし、御崎公園で保存されています。

1100形1102

元神戸市電1100形1102。2000年廃車。

1975年3月4日撮影 十日市町~本川町

1100形1104

元神戸市電1100形1104。2000年廃車。

1979年3月4日撮影 原爆ドーム前


1150形

元神戸市電1150形を1971年に7両譲受。550形、1100形と一緒に神戸市電廃止直後に移籍しました。2025年現在二代目ハノーバー電車となっている1156のみ在籍しており、ラッシュ時に運用されています。それ以外は2003年までに廃車。

1150形1151

元神戸市電1150形1151。神戸時代の塗装です。1999年廃車

1984年5月4日撮影 立町

1150形1152

元神戸市電1150形1152。1998年廃車

1984年5月4日撮影 立町

1150形1154

元神戸市電1150形1154。2003年廃車

1975年3月4日撮影 的場町


1900形

元京都市電1900形を1978年の京都市電廃止後15両譲受。広島に来てから冷房化されています。また、番号も1901~に整理されています。全車揃って活躍していましたが、2024年から廃車が始まっています。

1900形1901

京都市電1916。 外見からは解りませんが、 バスの冷房装置を応用して冷房化されています。2025年現在現役です。

1984年5月4日撮影 八丁堀

1900形1902

京都市電1917。冷房化されています。2024年廃車

1984年5月4日撮影 立町

1900形1903

京都市電1918。2024年廃車

1984年5月4日撮影 立町

1900形1906

京都市電1900形1920。2025年現在現役です。

1985年12月撮影 南区役所前

1900形1907

元京都市電1900形1924。天満川を渡る専用橋。2025年現在現役です。

1984年5月4日撮影 天満町~小網町

1900形1910

京都市電1900形1926。2025年廃車。

1979年4月撮影 八丁堀

1900形1912

京都市電1900形1928。2025年廃車。

1985年12月撮影 南区役所前

1900形1914

京都市電1930。2025年現在現役です。

1984年5月4日撮影 立町


2000形

1960年~63年に2001~2003がナニワ工機(現アルナ車輌)で2004~2009が自社工場で、 直通用として合計9両製造されています。1974年に連結改造されましたが、奇数両数のため、2001のみ1両のままで運用されていました。連結車は直通運転に活躍していましたが、ICカード導入の際、対象から外れ、2009年に運用離脱、2004+2005以外は2012年に廃車。

2000形2001

1960年ナニワ工機(現アルナ車輌)製。2001のみ、1両で運用されていました。 2003年廃車

1984年5月5日撮影 荒手車庫

2000形2002+2003

1960年ナニワ工機(現アルナ車両)製。2012年廃車

1984年5月4日撮影 本川町

1984年5月4日撮影 八丁堀

2000形2006+2007

1962年自社工場製。2012年廃車

1984年5月4日撮影 土橋

なぜか2両ともパンタを上げています。

1975年3月4日撮影 本川町


2500形

1961年にナニワ工機(現アルナ車両)で2編成、1962年~64年に自社工場で3編成が製作されました。定員を増加させるため、2000型を連接構造にして新製しました。1967年には大阪市電1600型の車体を流用し大阪車両工業で2編成増備しています。性能は同じですが、外観は全く違っており、異彩を放っていました。連接車ですが車体毎に番号が違っています。1985年~86年に新製車は2506を除く9両が3車体化され、3100形となりました。2506および大阪市電改造車は1984年~85年に廃車されています。

2500形2501+2502

1961年ナニワ工機(現アルナ車両)製。1985年に3100形3101AとCに改造。
宮島線直通運用についていました。この頃は宮島線が広電西広島、市内線が己斐と電停名が違っていました。現在は「広電西広島」に統一されています。

1979年4月撮影 広電西広島

1979年4月撮影 己斐

2500形2505+2506

1962年自社工場製。2505は1985年に3100形3101Bに改造。2506は1両だけ余ってしまい1985年に廃車

1975年3月4日撮影 本川町

1984年5月4日撮影 立町

2500形2511+2512

2511は大阪市電1600形1617、2512は1630の車体を使い、1967年に大阪車両工業で製造。名義は新製扱いですが、種車の面影を強く残しています。大阪市電1600形は750形の一部と南海電鉄→阪堺電気軌道モ121形があります。1985年廃車、

1979年4月撮影 広電西広島

1979年4月撮影 広電西広島


3000形

西鉄福岡市内線の連接車、1101形1201形1301形を1976年に譲受け、1979年~82年にかけて3車体連接に改造された車両です。1980年代には宮島線直通の主力車両として活躍しました。3700型以降の連接車の登場により、1998年には市内線専用となました。
2025年現在3003ABC1編成が在籍するのみとなっています。

3000形3002ABC

1963年汽車製造製の元西鉄福岡市内線1209ABと日立製の1207Aを3車体連接に改造。2021年廃車

1984年5月5日撮影 地御前

3000形3005ABC

1954年汽車製造製の元西鉄福岡市内線1100形1101ABと1102Aを3車体連接に改造。1101形から先頭車への改造はこの編成のみでした。 元1201形と比較すると角張った車体形状をしています。2015年廃車

1984年5月4日撮影 小網町

3000形3005ABC 3002ABC

元西鉄福岡市内線1201形改造の3002と1101形改造の3005。3005の角張った車体形状がよく解ります。 3車体連接車同士が急カーブですれ違い。

1984年5月4日撮影 土橋

3000形3006ABC

1962年日立製の元西鉄福岡市内線1201Bと1954年汽車製造製の元西鉄福岡市内線1100形1102B、1963年日立製の1203Bを3車体連接に改造。2015年廃車

1984年5月4日撮影 土橋


3500形

路面電車近代化の基となった、軽快電車の第一号です。アルナ工機(現アルナ車両)川崎重工(現川崎車輛)東急車輛(現総合車両製作所)等国内メーカー各社が参画し1980年に製造、試作要素が強く、1編成しかありません。 宮島線直通運用についていましたが、故障も多く、2012年以降、運用を外れています。この後、3950形まで続く「ぐりーんらいなー」の最初の1編成です。

3500形3501ABC

1984年5月4日撮影 紙屋町

1984年5月4日撮影 八丁堀

  • 2015年5月4日up
  • 2022年2月17日更新レイアウト変更
  • 2025年3月22日更新レイアウト大幅に変更